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光励起デジタルツイン理研ECL研究チーム
Digital Twin for Light-Matter Interaction RIKEN ECL Research Team
理研ECL研究チームリーダー
谷 峻太郎Shuntaro Tani
Ph.D
研究概要
レーザー技術の発展により、原子間結合の強さに匹敵する光電場を自在に物質に印加できるようになってきました。このような強く自在な光電場は精密なレーザー加工をはじめとする物質状態制御への活用が期待されています。一方、連続的な固体が離散的な原子へと破断するような不可逆過程の物理は未だ明らかになっておらず、自在な制御を行うためには膨大な試行錯誤が欠かせないのが現状です。本チームでは実験の全自動化を通して、光励起を出発点とする微視的過程を大規模に観測し、現象の「文脈」を抽出する手法を開発することで、物質が不可逆に変化する過程の支配方程式を明らかにすることを目指します。このような手法を開発することで、現実世界と同じように振る舞うサイバー空間の双子「デジタルツイン」を構築し、現実世界の問題を数値計算やアルゴリズムを用いて最適化できる技術を開発します。
研究分野
総合理工、物理学、工学
キーワード
精密レーザー加工、超高速分光、深層学習、デジタルツイン、自律実験
研究テーマ
- 深層学習を用いたレーザーによる物質破壊過程の定式化とデジタルツインの構築
- 超高速分光を用いた不可逆現象のその場観察手法の開発
- 実験の全自動化・自律化と大規模データ収集
- 超短パルスレーザー加工の精密制御
主要論文
- Endo, T., Tani, S., Sakurai, H., and Kobayashi, Y.: “Probing thermal dissipation dimensionality to laser ablation in the pulse duration range from 300 fs to 1 µs”, Opt. Express 31, 36027 (2023).
- Tani, S., and Kobayashi, Y.: "Pulse-by-pulse evolution of surface morphology driven by femtosecond laser pulses", J. Appl Phys. 133, 143104 (2023).
- Shimahara, K., Tani, S., Sakurai, H., and Kobayashi, Y.: ”A deep learning-based predictive simulator for the optimization of ultrashort pulse laser drilling", Commun. Eng. 2, 1 (2023).
- Tani, S., Sugiyama, K., Sukegawa, T., Sato, T., Ishizuka, Y., Taya, S., Feng, F., Komeda, O., Suto, H., Saitoh, H., and Kobayashi, Y.: ”Real-time high-spectral-resolution mid-infrared spectroscopy with a signal-to-noise ratio of ten thousand”, Opt. Express 30, 36813 (2022).
- Tani, S., and Kobayashi, Y.: "Ultrafast laser ablation simulator using deep neural networks”, Sci. Rep. 12, 5837 (2022).
主要メンバー
谷 峻太郎 | Shuntaro Tani | 理研ECL研究チームリーダー |