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センター紹介
無限の可能性を秘める光科学。
その地平を拓く──
センター長:緑川 克美(Katsumi Midorikawa)
今まで見えなかったものを見たい──その夢を実現するのが、光量子工学研究センターです。
例えば、高速現象をとらえるためには短い時間だけ発光するストロボが使われますが、分子や原子の動きは速すぎて普通のストロボでは見えません。そこで、フェムト秒(10-15秒)やアト秒(10-18秒)というとても短い間隔のパルスを発振できるレーザーを開発し、現在は原子や分子内の電子の動きまで見ることができるようになっています。
また、電子顕微鏡ならば高分解能での観察が可能ですが、試料を真空中に置かなければいけません。生きた細胞を高分解能で見たい、そう思うでしょう。光学顕微鏡ならば生きた細胞を観察できます。しかし可視光では、その波長の半分以下より小さい構造は見えないと考えられてきました。ところが、超解像顕微鏡技術をつかうとその限界を超えて、より小さいナノメートルの世界が見えるのです。
非破壊で装置の内部構造や食品の異物混入を検査したい、ということもあるでしょう。それを実現するのが、テラヘルツ光です。テラヘルツ光はかつて“未踏の光”と呼ばれていましたが、今では光源や検出器の開発が進み、応用の段階に入りつつあります。
ほかにも、メタマテリアルによる光の操作、蛍光タンパク質を用いた環境モニタリング、超高精度な光格子時計による相対論的な測地学……。光量子工学研究センターでは、光の新しい使い方を提案・追究し、誰も見たことがないものを見ようとしています。見ることができれば、それを理解し、制御することにも近づきます。
光量子工学研究センターでは、新しい光技術を研究の世界だけのものとせず、実用可能な装置をつくるところまで行い社会に役立てることを強く意識しています。センター名に「工学」が入っているのは、そのためです。19世紀には蒸気機関が、20世紀には電子技術が、それぞれ社会基盤を大きく変えました。21世紀の社会基盤を変えるのは、光技術です。光の可能性は無限に広がっています。私たちが到達できているのは、まだほんの一部。2013年に発足した光量子工学研究領域は、2018年に光量子工学研究センターとなり、光科学の地平を広げ続けていきます。
センターミッション光量子工学研究センターは光科学の地平を拡大し、新しい科学・技術の創造を目指します。
組織光量子工学研究センターは4つの領域から構成されています。
刊行物パンフレットや年次報告書のPDFファイルをダウンロードできます。